TOKYO TEXTURE in 2005


『偽ライカ同盟と土浦写真研究会展』(※) 出展作品を紹介します。

会場に足を運んで実際のプリントをみていただいた皆様、ありがとうございます。

(※)2006年3月21〜26日 茨城県つくば美術館にて開催

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高梨豊さんの写真集『都の貌』に強く影響を受け、高梨さんの撮影ポイントに立ち、同じポイントから現在の様子を撮って見ようと始まったシリーズです。

当然、現在は既になくなってしまった建物などが多く、完全に後を追いかけることは不可能でした。 いつか高梨さんの撮影ポイントからちょっと外したものなども追加され、徐々に自分の視線に近づいて来ました。

まだまだこのシリーズの撮影は続きますが、2005年に撮影された分の纏めとして『TOKYO TEXTURE in 2005』とタイトルし、つくばで発表させていただきました。

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勝鬨橋変電所 (現在の「橋の資料館」内)

『都の貌』には勝鬨橋が2カット登場します。 ひとつは運転室にある操作盤の橋のモデルと、もうひとつは橋脚内の機械室。

この2カットは、ともに高梨さんの撮影ポイントに立つというコンセプトには、一番ハードルの高い場所でした。

止むを得ず、誰でも立ち入ることのできる現在の資料館にある変電所の盤を撮影させていただいたものです。

後に橋脚見学ツアーに参加して、念願の撮影ポイントに立つことはできましたが、残念ながら危険なのと時間の制約により、大型カメラでの撮影は出来ませんでした。

EBONY NEW WIDE45 + SYMMAR-S 120mm

清洲橋

清洲橋は隅田川に架かる橋の中で一番美しい橋と言われています。

『都の貌』には清洲橋がやはり2カット登場します。 ひとつは表紙の写真。もうひとつは縦位置の鉄骨構造体のアップ。 2枚とも圧倒的な構造物の美しさを見せています。

これは、表紙じゃないほうの写真の真似です。

オリジナルより更に広角で撮影してみました。 夜は人通りの少ないこの場所は、暗くて露光時間も長く、寒さに震え、堪え切れずレンズを替えてもう1カット撮影してみることが出来ませんでした。

EBONY NEW WIDE45 + FUJINON SW65mm

勝鬨橋

『都の貌』には勝鬨橋自体の写真は登場しませんが、深川に住んでいた頃より一番の馴染みの橋であり、近年ますますこの橋が気に入っている自分としては、橋自体の写真も加えておきたかったのです。

この日撮影したもので、もう1枚隅田川の流れを映し込んだ勝鬨橋と銀座の街並みの写真もあったのですが、ちょっと情緒が入ってクールさに欠けたので、今回の展示からは外しました。

WISTA45SP + KOMURAR 400mm

JRガード

JR中央線お茶の水駅と神田駅の中間地点です。

『都の貌』では百万両酒場の写真がありますが、その場所から僅かに神田よりに移動したところ。

サラリーマンの宴が聞こえそうな酒場と、対照的な静けさを見せているこの場所。 ほんの数メートルしか離れていないのですが。

EBONY NEW WIDE45 + FUJINON W105mm

万世橋

『都の貌』の万世橋にそのままタイムスリップしたようです。 今回の展示作のなかで、いちばんオリジナルに近い写真です。

2006年、交通博物館の移転で、ここも変って行くでしょうか?

何年か後に『都の貌』と同じポイントに立つ、ではなく、自分の作品『TOKYO TEXTURE in 2005』と同じポイントに立つ、という撮影があるかも知れません。

EBONY NEW WIDE45 + Super Angulon 90mm

日本橋

『都の貌』の日本橋は、龍のアップと、川の端から撮影した日本橋の外観がありますが、これは全く違うアングルからの撮影です。

こうして撮影してくると、自分の視線は建物への注視ではなく、街とそこに流れるトラフィックを映し込むクセがあることに気付きました。

首都高移転の話が出て、日本橋の上もスッキリしてしまう日が来るかも知れません。

上に架かる道路を、お江戸日本橋への冒涜であるとみるか、21世紀の東海道の起点の姿と受け止めるか、賛否あるかとは思いますが、写真は見えている形をクールに捉えることしか出来ないものです。

EBONY NEW WIDE45 + Nikkor W135mm

JR神田駅ガード

『都の貌』では神田ガード下の写真がありますが、どこなのか全然分からず、これはまったく自分の発見で撮影したものです。

だいぶ4×5での夜の撮影も慣れて来て、あっと思ってスナップショットに近い撮影をしたものです。

スーパーワイド系のレンズでないのにアオリ過ぎて画面上がケラれてしまいました。 普通なら失敗の写真ですが、これを作品として展示できるようになれたのは、写真研究会を取り巻くよい(?)環境のお蔭であって、それらの積み重ねでこのプリントが出来たんだと思うと、実に愛おしい一枚です。

EBONY NEW WIDE45 + FUJINON W105mm

浅草

今回の作品は、殆どが夜に撮影された写真ですが、勝鬨橋の変電所とこの浅草の写真だけ日中に撮影されたものです。

『都の貌』では、浅草の提灯が下のほうから撮影されており、提灯の下の部分にある天井の飾りが写されていました。

高梨さんは一体どんな体勢で撮影されたのでしょうか? 見てのとおり、提灯の下の部分は天井がとても低いので、撮影しようと思ってポイントに立ってみたのですが、4×5では寝転ばないとピントグラスが覗けないので、無理だと諦めました。

EBONY NEW WIDE45 + Super Angulon 90mm

日本橋三越

日本橋三越をこの場所から撮影している人を結構見かけましたが、皆さん携帯電話やせいぜい35mmのカメラで、さすがに大型で撮っている人は見かけません。

寒さで頭の回転が鈍り、露出計の目盛りを読み間違えて大幅に露出オーバーになってしまいましたが、目映い交差点と堂々たる三越デパートが、まるでニューヨークでの撮影かと思わせる写真になりました。

EBONY NEW WIDE45 + Super Angulon 75mm

清洲橋より首都高を臨む

今回の展示では最後の一枚ですが、撮影の時系列からすると一番初期のものです。

このシリーズの撮影は、やはり表紙の清洲橋から、と考えていたのですが、行ってみたら何と工事中で橋が養生されており、止む無く橋の袂から首都高とその先の工事中のビルを望んで撮影しています。

景気が持ち直して来たのか、至る所で高層ビルの建築ラッシュです。 この勢いでは、『都の貌』撮影ポイントは、全く面影も無くなってしまうのは時間の問題でしょう。

時間は進み、刻々と『貌』を変えて行く街の様子を見るにつれ、街を撮りたい写真家はモタモタしている場合ではない、と気持ちが急くばかりです。

WISTA FIELD 45 + FUJINON SWD 75mm